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― 帝国通信工業の業態について教えてください。
主力商品は、ビデオカメラ・デジタルカメラ・液晶TV・携帯電話等の「前面操作ブロック(I.C.B.=Integrated Control Block)」と呼ばれるパーツです。フィルムベーステクノロジーを活かし、軽薄短小の機能的なパーツを製造しています。 創業は1944年、売上高は2007年3月期で273億5600万円です。1971年に東証一部に上場しています。
― 帝国通信工業はSingTelをどのように活用していますか。 当社は2007年4月、SingTelに国際IP-VPNの構築を依頼しました。これにより、日本本社と海外8ヶ国12拠点がIP-VPNで接続されました。海外12拠点とは中国、タイ、シンガポール、香港、インドネシア、ベトナム、台湾、アメリカにある生産7拠点、販売5拠点です。
― それまで海外拠点との通信はどのように行なっていましたか。 当社では、進歩の速い回線の世界に対応するため、定期的に本社と拠点間との通信環境の見直しを行なってきました。 ここ数年、グループ全体での海外拠点の比重が大きくなってきました。データの重要性が増してくるにつれ、安価であるというメリットを受けながらも、インターネットVPNの安定性とセキュリティ面に不安を感じていました。 直接のきっかけとなったのは「e-HUB化プロジェクト」です。これは、当社のグローバル企業としての基盤強化の取り組みです。この中で、当社の目指すグローバル企業の通信インフラとしてはインターネットVPNでは不十分であると考え、それに替わるものとしてIP-VPNを選択しました。
― 「e-HUB化プロジェクト」についてさらに詳しくお聞かせください。
1,経営資源全体の情報を即時的に把握することにより「スピード感を持った経営判断」が可能となり、電子パーツの国際市場での競争力を強化できる。 2,各拠点間との情報を密にし「情報の信頼性アップ」、連結決算が容易になることで、J-SOX法に則した内部統制が実現できる。 2007年は、この情報一元化プロジェクトにおいて「インフラを作る年」という位置づけでした。ホストコンピュータの刷新に加え、今回のIP-VPNの導入を行なうに至りました。
― IP-VPNの構築にあたり、どのような通信会社を検討しましたか。 海外の大手2社、国内大手1社、そしてSingTelの4社に見積り依頼を出しました。 ― 他3社のような大手通信会社に加えて、企業規模としては一番小さいSingTelを候補としたのはなぜですか。当社の東南アジア各拠点の関係者から「ローカルではSingTelが強い」という評判を聞いていました。特にシンガポール営業所では「SingTel以外の選択肢がない」というほどの存在であることも知っていました。 ― 4社の見積り金額はいかがでしたか。残念ながら、いずれも当社の予算を大きく上回る金額でした。どの通信会社も予算の10倍ほどの、桁が一つ違う見積り額でした。途方に暮れました。
― ほぼ同じ見積り金額の中で、SingTelに決めた理由をお聞かせください。 SingTelに決めた理由は二つあります。 理由1:「SingTelには歩み寄りの姿勢があった」 しかしSingTelは違いました。話し合いの場を持ってくれました。こちらの話を良く聞いてくれて、サービスレベルや回線の太さをどこまで落とせばいいのか相談に乗ってくれました。その結果、ぎりぎりのラインを提示してもらい、なんとか手を伸ばせば届く範囲までくることができました。 他の3社は大手通信社だけに、お客も大手でなければ相手にしないというような雰囲気があった中、SingTelの「こちらの話を聞いてくれる」という姿勢は有難かったです。 理由2: 社内決裁が下りたのが2007年3月、その翌月には申し込みをしました。当社では国内のネットワークをNEC(日本電気株式会社)にお願いしておりましたので、窓口を一つにするためにNEC経由でSingTelに申し込みをしました。
― 12拠点の中でIP-VPNの構築が最も大変だった拠点はどこですか。 何といっても一番先に工事を行なったベトナム拠点です。前述したように、当社が工場建設をしたのは新設の工業団地で、日本企業としてだけでなく、世界の中でも当社が一番乗りの、まさに「開拓」という状況でした。図らずも一番難しいところからのIP-VPN構築のスタートとなりました。 工業団地の名前は「ホアラック・ハイテクパーク」ですが、その名の通りに「ハイテク」になるのは恐らく数年後であろうと思われました。まだその時点では原野を切り開いた、周りに水牛がいるような場所です。工事をお願いすると、ベトナムの民族帽子をかぶった作業員がツルハシを持って現われます。IP-VPNといっても電話線を工場のフェンスに結わくような工事でした。雷が鳴ると交換機を守るために電源を抜いたりするような文化の違いの中、言葉の問題もあり作業チームとの意思伝達がうまくいかず途中大変な状況がかなりありました。 ![]() 線の張り直しを繰り返し、四方八方手をつくしてなんとか無事にIP-VPNの回線工事が終了しました。当社としても大変でしたが、SingTelも力を尽くしてくれました。おかげで今現在の通信は安定した運用が出来ています。
― インターネットVPNからIP-VPNに切り替えをしたくても、さまざまな理由から稟議を通すのを困難に感じている情報システム部の担当者も多いと聞きます。帝国通信工業が今回、提案からすぐに導入に移ることができたのはなぜでしょうか。 今回のIP-VPN導入の提案は、我々情報システム部が提案する「e-HUB化プロジェクト」の一環として行ないました。たまたまそれが良いタイミングで、経営陣の考えるグローバル化計画と合致しました。提案してからわずかの期間で予算がおりたのはそれが理由だと考えています。 通信のようなインフラ整備は経営陣にとっては大きな投資ですが、投資効果の測りにくい分野でもあります。「システムの刷新をしたい」という単独での提案では経営陣を説得するのはなかなか難しいでしょう。逆に言えば、経営戦略に合致させる形で提案を行なえば、経営陣の理解も得やすいのではないでしょうか。
― 今回のIP-VPN導入を通じての、SingTelへの評価をお聞かせください。 SingTelには、第一ステップ、第二ステップを通じて、常に良い対応をしていただき感謝しています。具体的に評価できる点は以下の3つです。 評価点1:「ベトナムにやはり強かったこと」 評価点2:「話を聞いてくれたこと」 評価点3:「機動性があること」
― SingTelのIP-VPNが向いている企業はどんな企業だと思われますか。 当社のような会社だと思います。あまり規模が大きくなくて、東南アジア、しかもまだ開発が進んでいない地域に拠点がある企業であれば、SingTelの良さを活用できるのではないかと思います。
― SingTelへの今後の期待があればお願いします。 SingTelは東南アジアに強い通信会社ですが、今後は日本においても強くなってほしいと願うと同時に、今後もさらに高品質な回線を低価格で提供する努力を続けて行って欲しいと思います。当社は今後も通信基盤を盤石にする努力を続けて行きます。SingTelにはそのサポートをこれからもお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 お忙しい中、ありがとうございました。 ※ 帝国通信工業のWebサイト
※ 取材日時 2008年4月 |
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